2009年2月20日金曜日

大好きエリアス

 2009年の今年は、ヘンデル没後250年、ハイドン没後200年、メンデルスゾーン生誕200年と、大作曲家たちの節目の年が重なっているようですが、こうして改めて見ると、なんだか歴史の流れを深々と感じては不思議な気持ちになります。ヘンデルもハイドンもとても長寿(ヘンデル74歳、ハイドン77歳)で、ハイドンが亡くなった年にメンデルスゾーンが生まれているという事ですよね(もっと細かく言えば、ハイドンが亡くなるおよそ3ヶ月弱前にメンデルスゾーンが生まれている)。まぁそれを言ったら他の作曲家もたくさんいるわけで、こんな事を考えていたらキリがないものの、でも考えてみるのは面白い。

 生誕200年のメンデルスゾーン。今月の3日が彼の誕生日だったので、改めてメンデルスゾーンについて思い返してみました。メンデルスゾーンの作品、とっても好きです!ドイツにいた時もライプツィヒにある彼の家を訪ねて、いろんな妄想を膨らませながら彼がここで生きていたんだなぁという事をより身近に感じたりしてきました。彼の音楽は、彼がとても恵まれて育ったためかよく満たされていて、聴いていて元気に幸せになります!そして私にとって思い出深い作品の一つに、メンデルスゾーンの作品があります。オラトリオ『エリアス』。

 ドイツへ行って間もない頃、地元の大きい合唱団の演奏会でのオーケストラを弾く仕事をしたのですが、その時の演目がこの曲。まだ言葉も良く分からなかったし、仕事がどのように進められていくのかなど、色々なことが初めてで新鮮にドキドキしていたのを覚えていますが、本番は大きい教会で行われ、真冬1月の教会の中ではどれほど厳しい寒さが襲ってくるのかを、まさに身をもって体験。その真冬の石作りの建物の中での『エリアス』の響きが、私を大きく包み込んでくれました。生まれて初めてヨーロッパの教会で聴衆ではなく奏者の一員として体験したあの響きが、あまりにカルチャーショックで感動したんですね。こんなに美しい響きがあるんだ・・・!

 それからというもの。折に触れてはCDを聴き、感動!を繰り返しています。また2007年のサイトウ・キネン・フェスティヴァルでは改めてこの作品を弾く機会に恵まれ、とにかく私としては幸せいっぱいでした。先日、日本に帰国以来久しぶりにCDを聴きたくなり、そうか~メンデルスゾーンは200年前の今月生まれていたのかぁと感慨にふけってみたり。彼はヘンデルやハイドンと違って短命(38歳)でしたが、まるでモーツァルトのように、その短い生涯でこんなに天才的な素晴らしい作品を世に残してくれたことに心から感謝したいです。

※写真はメンデルスゾーンの家を訪れた時のもの。一室にあるクラヴィコード。エリアスの譜面。本人の胸像。   
       

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