2009年3月25日水曜日

ブルー・コンサート

 先日、サントリーホールでオーケストラの本番の前に、以前から行きたかった美術館へ行ってきました。本番前にわざわざ・・・なんですが、予定を見てみたらその日しか行かれる時が無かったんです。なぜなら、その美術館が今月末で閉館してしまうというのだから・・・!

シャガールとエコール・ド・パリ コレクション 青山ユニマット美術館』

   

 以前、何かのキッカケでこの美術館の存在を知ってから、ずっと気になっていました。小さくて、いい絵が置いてあって、自分のペースでゆったり静かに思う存分絵の前で時間を堪能できる美術館、そんなところを求めていて、そして、ここは正にその理想であるに違いない!と。
 しかし人間って、追い詰められないと実行できない生き物なんでしょうか・・・先月あたりに久しぶりに美術館のサイトを訪れてみたら、なんと今月3月末で閉館のニュースを知り、大ショーック!しかもれよあれよと日々が過ぎていき、気がついたら、あれ、もしかして行かれるの明日しかない???

 はい。思い切って行ってきて良かったです。17点のシャガールの絵だけが飾られた八角形の小ぶりな空間は濃密でした。真ん中にあるベンチに、時間に追われずに気が済むまで絵に囲まれて座っていたかったです。

 彼の絵をみていると不思議な感覚になります。深いのに重くない。爽やかなのに軽くない。クセになる気持ちよさがある。やはり目玉であり一番心の中に入り込んできたのは、『ブルー・コンサート』彼が最愛の妻を亡くし、ショックでしばらく絵筆をとれなかった期間から、立ち直りのきっかけとして書かれた作品。妻ベラへのオマージュとされています。しかもヴァイオリン持ってる。彼の絵には頻繁にヴァイオリンが描かれています。



 シャガールの他に、パリの有名な画家達の作品が、決して多くはないですが色々揃っていました。ポイントを絞って楽しむことができたので良かった。できることならもう一度観にいきたい・・・けど無理そうです、残念。でも一度でも行けてよかった~。気になるのは、あの絵たちの行方、そしてあの空間の行方・・・今後どうなるんだろう・・・?こういうステキなものが消えていくのは本当に惜しい。


 そうそう、その日の本番はオールRavelのプログラム。彼と同時期のパリの画家達に触れられたのは丁度いいタイミングでした♪
 
 

2009年3月19日木曜日

応援しますっ

 もう昨年末のニュースですが、ビックリしました。
浦和レッズの監督に、ドイツのフォルカー・フィンケが2年契約で就任。」

 はい、サッカーの話なんですが。。フィンケ監督といったら、私が留学していたフライブルクFreiburgのサッカーチームSC Freiburgで16年間監督を務めた超ベテランです。今回の一連のニュースでは、あのオシムとも交流が深く、ドイツのオシムと言われている、とも紹介されていました。私が帰国する少し前に偶然、彼のFreiburgでのラストシーズンの試合を観に行ったのを思い出しました。その後新シーズンが始まり、私は日本へ帰国。そしてその後まさかフィンケが日本に来るとはね・・・!!

 留学して一年目くらいに、Freiburgにある唯一の本格日本食レストラン『椿』(味は本格なのにランチは1000円程度でしっかりボリュームの定食が食べられます♪)に行った時に、チームのエースの選手とその家族とフィンケ監督が食事をしに来て、そのとき初めて生で見たんですねぇ。「へ~日本食、食べに来るんだ~」なんて思ったりして。ちょっと嬉しいような、親近感持てるような・・・。

 まぁそんなこんなで、フィンケ監督は地元のよしみ(?かなり一方的ですが汗)って理由だけなんですけど、日本でも頑張って欲しいので浦和レッズ応援しちゃいます!サッカーには詳しくないけど、ワーワー言いながら観戦するのが楽しいし好き。

※画像は、Freiburgにいる友人が一時帰国した時にお土産として(!)持って来てくれた地方新聞(Badische Zeitung)の記事。 『フィンケ、日本へ行く』
 

2009年3月15日日曜日

♪終了しました~教会で♪

2009年3月15日(日)
日本基督教団 加須 愛泉教会礼拝堂 13:30開演 1,200円

 "パイプオルガン定期演奏会 vol.6"
     ~Violinと鍵盤楽器のマチネ~

  A. Mozart : ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.373a
  L.v.Beethoven : ピアノ・ソナタ 『月光』
  T. Albinoni : アダージョ
  J. S. Bach : 目覚めよと呼ぶ声あり
  G. Caccini : アヴェ・マリア
  D. Buxtehude : プレリュードとフーガ        その他


   紙屋信義,Organ  田中拓未,Piano  竹原奈津,Violin


モーツァルト。昨年の帰国リサイタルでは初めて取り上げなかった作曲家。だって素晴らしすぎて弾くのが非常に難しくて・・・!何年ぶりかで今回モーツァルトのソナタを弾くことになり、久しぶりに弾いてみた途端に、あまりの素晴らしさ・完璧さに言葉を失いました。モーツァルトを思うように弾けたらもう死んでもいい、と思えてしまうくらい。これはピアノとの共演ですが、他にオルガンとの共演もあり、ドイツを思い出します。当日、会場(教会)でのオルガンと音響によってどんな演奏になるのか、とても楽しみです!何より『ヴァイオリンと鍵盤楽器』という副題の通り、ピアノのソロ、オルガンのソロもあり、飽きずに楽しんで聴いて頂けると思います♪

 ♪終了いたしました♪
先日の大嵐が去ったら、今日は快晴、快晴!!日曜日に昼下がりの本番でお天気がいいと演奏する身にもとても気持ちがいいです。おまけに今日の愛泉教会の礼拝堂は正面に大きなガラスがあり、空間が太陽光で明るく温かい雰囲気に包まれました!肝心のモーツァルトは、やはり永遠に手の届かない神様みたいな存在・・・!難しい~!でもモーツァルトを弾きながらお客さんが音にのせられてに気持ち良さそうになっていく様子が少なからず見えた気がしました・・・これが音楽の力?モーツァルトスゴイ!オルガンとのデュオの他にオルガンとピアノと3人で弾くという珍しい組み合わせも新たな経験で、小さなお子様の姿も多く見られましたが、みなさん静かに一生懸命聴いていてくださってとても幸せでした。こうして今日も音楽を多くの方と身近に共有できた事に感謝!明日からまた頑張ります!

 

2009年3月10日火曜日

『平和の日』

 今日は久しぶりに青空の見える暖かい一日でした。先月には、意外なところで弾いたというリポート(ここで弾く?)をいたしましたが、今日もちょっと変わったところで弾いてきました。
 写真は・・・そう、東京都庁です。実は今回まで知らなかったですが(恥)、今日は『東京都平和の日』と言って、64年前の今日、つまり1945年の3月10日は東京が大空襲を受けた日だそうです。そして、毎年この日に行われている『東京と平和の日式典』(今年で19回目)の一環で、『追悼と平和への祈り』として弦楽アンサンブルの演奏時間があり、そのアンサンブルの一員として演奏してきました。平和への祈りを込めて、バッハのG線上のアリアから始まり、弦楽アンサンブル定番のモーツァルトやエルガーの作品、ソプラノ歌手と共にオペラのアリアや日本の民謡、懐かしの映画音楽など盛りだくさんでした!

 少し話は変わりますが、日本で音大に行っていた頃、サントリーホールでサイモン・ラトル指揮:ウィーン・フィルハーモニーの日本公演の公開リハーサルの券が手に入り、聴きに行ったことがありました。プログラムは、ベートーヴェンの交響曲の第8&9番。彼らは少しリハーサルもしましたが、殆ど通しで演奏してくれました。確か9番は通しのみだったような!?なんて大サービス!!実はその時が生まれて初めて生演奏で聴く第9で、演奏があまりに素晴らしかった事も大いにあるのですが、「世界中の人がこれを聴いたら戦争なんて絶対になくなるだろうに・・・!」強烈な感動と共に、なぜかそう強く思いました。未だにあの時の気持ちが忘れられません。音楽の力ってすごいです。前回でも、音楽を聴くことでストレスを解消してリラックスできるというような事も書きましたが、やっぱり音楽は目に見えないものなだけに、そのまま目に見えない心というものにダイレクトに影響を及ぼすんでしょうか。

 今も世界中で戦争が起きている中で、また世界中で多くの人たちが戦争撲滅を訴えて動いています、それも色んな人が色んな方法で。私も自分にできる方法で(=音楽を通じて)平和の為に少しでも役に立てたらなぁ、ってなんだか凄く大げさに聞こえますけど・・・!戦争撲滅とかって大ごとのようだけど、そうではなくて、実はひとりひとりの心のあり方が大きな力を生み出すんだと思っています、だから一人ひとりが、ささやかに心のゆとりや心の豊かさを持っていく事が平和に繋がるんじゃないかな~と。その為に音楽が役に立てたら嬉しいなぁと。

 と、今の日本は本当~に豊かな国になり、戦争や平和について日頃忘れがちなことですが、今日のことをきっかけに改めて考えました。

 ところで、東京都庁の中に入ったのは今日が初めてで、さっそく一番上の展望台へ上ってきました!東京を一望!!あと、展望台専用エレベータはそうでもなかったけど職員用のエレベータがめちゃめちゃ早くて、一秒に4階分は移動していたと思います・・・ホントです、これ大げさじゃありません!42階から一気に1階まで降りてきた時は心臓止まりそうでした~・・・!ヒー あそこで働いていたら心臓鍛えられそうです。
 

2009年3月6日金曜日

移動のパートナー

 最近の移動中に欠かせないモノ(これはiPod shuffleただ聴くだけのシンプル機能、小さくてラクです!)。移動しながら音楽を聴けるものを持ち歩いている方、多いと思います。最近は特に小さくて便利なものが増えていますし♪

 自然に溢れた環境都市フライブルクで5年過ごした後の東京での生活では、多すぎる雑音にずいぶん堪え、初めはストレスを強く受けていましたが、でもそこは工夫次第♪外界の雑音をシャットアウトして、しかもいい気持ちになれればいいのだから、やはりそこは音楽を聴くのが一番手軽だなーってことに!ま、実に安直ですが。。
 移動中は、仕事の勉強に必要な曲を聴いたり(これはいい気分になるのとちゃいますが汗)、クラシック以外の(←ココ重要)好きな音楽を聴いて過ごします。仕事の後にもそれを聴きながら自分を癒せて、おかげでストレスを溜め込まずに済み、しかも日進月歩、今日ではこんなに小さな機械で(持ち歩く苦が無い!)大量の音楽を持ち運べる、こ~んなにありがたい役目を果たしてくれるんだから、なんて素晴らしい時代!!

 おもしろいのは、5年間住んでいたドイツのフライブルクFreiburgでは殆ど出番の無かったウォークマン(?というかこの類)。フライブルクは世界的に有名な環境都市なだけあり、いるだけで癒されるものに溢れていたせいか、よほど緊急の勉強に必要でない限り、外出時まで音楽を持ち歩いて聴くことなんて・・・うーん、なかったです。。緑や鳥のさえずりに溢れ、空気がきれいで、人々がゆったりとゆとりを持って生きている。その空気自体が音楽と同じ癒し効果をもたらしていたんだろうなぁと振り返ったり、無意識にそういう空気に耳を傾けていたような。

 てことは、音楽って、自然と同じような働きやパワーを持っているって事?!ドイツに住んでいて特に実感したことは、自然と音楽の切っても切れない繋がり、あと人の心。この三つ巴の関係は崩れることなくバランスを保ち続けるものなんですね~。完璧な環境って中々無いかもしれないけど、そこは自分で工夫して、その3つを大切にしていきたいなぁと思う今日この頃です。

 ・・・とか思いながら改めて電車の中を見回すと、耳にイヤフォン付けてる人たっくさんいるぞ~。みなさん・・・!と妙に共感を持ったりして♪