2010年5月28日金曜日

曲(作品)の作られ方

 先ほどの、彩乃ちゃんの妹君ヴィオリストと学生時代に新曲のカルテットをやっていた事を振り返ったのだけど、作曲家の池田亮司さんの録音を担当したことがあり、それがとても変わっていた事を思い出しました。

 新国立劇場のバレエの音楽の為の収録ということだったのだけど、行ってみたら、なんとこれといった楽譜がなく、一人一人が即興で音を5つくらい並べて弾いて、順番に、前の奏者が弾いたものからインスピレーションで更に即興して、それを次の人が更に・・・という具合で進めていったり、それぞれが自分のモティーフを何秒という感覚を空けてバラバラに弾き続けたり、池田さんが即興で奏でたメロディーを鸚鵡(おうむ)返しに演奏したり・・・と、とにかくこれは一体どうなるんだ?という収録をしました。

 どうやらこれらはマテリアルとして採集(!)され、これを池田さんが最終的に組み合わせて作品にするということ。作曲と言うより、もはやアートを作り出す作業のようにさえ感じます。

 その後私はドイツへ留学してしまったので情報が遅れたのですが、それがCD化されたようで(Ryoji Ikeda:OP)、自分で聴いてみては、は~~~~~~・・・こうなるんですか・・・!!!
 まるで未知の、そしてどこか非現実的なようでいて、いや現実的なのか、なんとも不思議な世界が目の前にあり、新しい感覚を覚えたものです。

 当時、現代曲や新曲の演奏をよくやっていましたが、これらの作業は色々な概念が覆される事が多く、脳みそのストレッチになり個人的には好きでした。何かまた新しい作品に触れてみたいと思うキッカケになった彼女との再会。 
 
 

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