2010年6月15日火曜日

伝わるもの

 例年より遅いとは言え、ついに関東も梅雨入りしましたね・・・楽器の調子も例年にもれなくスゴイ事になってます。。○| ̄|_

 今月に既に2つ、友人のコンサートを聴きに行くことができました。
 実家の老犬介護と東京での仕事の慌しい合間に、タイミング良く行くことが出来たのはラッキーです。

 ひとつ目は、ヴァイオリンの榎本麻衣子ちゃん、ふたつ目はピアノの草冬香ちゃん。

 榎本麻衣子ちゃんは子供のころから師匠が二代にわたって同じで、親同士も仲良しです♪ウイーンに留学後、一度帰国。一念発起でウイーン交響楽団の試験を受けたら合格!すごすぎ!今再びウイーンで活躍です。

 草 冬香ちゃんは、以前にもご紹介したことがありますが(コンサート)、フライブルクで知り合い、共に学び、お互い帰国後も一緒に演奏会で共演したりの仲間。

 私自身、帰国して2年以上が経ち、いろいろな事を感じ考え探す中で、今回ふたりの演奏を聴けたことは今の私にとってまさにベストタイミングでした。

 麻衣子ちゃんは、まさにヨーロッパの空気が満タンで、また全ての音が説得力のある言葉で語られ、おそらくその場にいた全ての人が強く納得させられたに違いありません。何か、私の中でも答えと確信へ導かれた気がします。

 冬ちゃんは、私と同じように帰国して1年半ほど。その優しく誠実で温かい人柄に加え、なにか以前よりもっと深く濃いものを感じました。色合いに深みが増したというか。


 演奏する際に、その作品について勉強することは基本中の基本ですが、その演奏者自身の人間あるいは人生が大きく影響するという事が、どうしてもはずせない気がするし、もし隠そうとしても不可能とさえ思えます。

 奏者のことを知っていれば、どんな人かあらかじめ情報があるわけだから、演奏を聴きながらよりそれが伝わるのは当然としても、まったく知らない人の演奏を、例えばテレビなんかで見たとしても、本当におおまかなものなら何となくだけど想像できる気がするのです。


 自分自身、聴いた人に喜びの深さを伝えられる演奏家になりたいなぁと思っているけど、それだけの人間というか、経験を積み重ねるには、まだまだこれから気の遠くなるほど先の長い階段をのぼり続けなければいけません。走ったり転んだり一息ついたりしながら、生涯でどこまで行けるのだろうか・・・途方にくれるような楽しみがそこにある気がしています。
 
 

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