2012年5月21日月曜日

セザンヌ展と大エルミタージュ美術館展


先日は、私の好きな美術館の一つ、国立新美術館で開催されている、セザンヌ展と、大エルミタージュ美術館展をハシゴして観てきました。

何年か前に、横浜で開催されていた印象派展を観に行った時に、セザンヌの風景画に惹きこまれて以来、彼の住んでいたエクサン・プロヴァンスにも思いを馳せるようになり、今回のこの展覧会も楽しみにしていました。

また、エルミタージュ美術館も、今最も訪れてみたいところの一つで、サンクト・ペテルブルクに行ってエルミタージュ美術館へ行く、というのが今の夢なんです、実は。自分でも不思議ですが、あの美術館を一目見て知ったその瞬間から惹きこまれています。それはきっと私だけではないでしょう。多くの人を惹き付ける、それほどの魅力がそこには確かにあるのです。

さて、そんな私の好きなものばかりが同時に味わえるという贅沢極まりない一日!

気合いを入れて平日朝から行きました!

・・・が、もう混みこみ・・・!!


特に始めに観たセザンヌ展は人が多すぎて、正直なところセザンヌの空気感やテンポ感などにどっぷり浸るまでに及ばず・・・(^^;)

しかしそれでも少しずつ進めて行き、個人的にグッときたのは人物画、そしてお馴染みの静物画。

彼は、度を越えるほどの頑固さと不器用さで、それゆえに周囲の理解を得られないことも多かったようですが、そこには彼の絶対的な深い深い愛情があったのだということ、筆のタッチひとつひとつに慈しみと温かみを感じました。

そして気がつけば人ごみの中に居ることも忘れ、彼が実際に使っていた絵の具のパレットからは絵に対する情熱が溢れるエネルギーを感じ、少し切なくて温かい、そんな気持ちで観終わりました。

このままエクサン・プロヴァンスの気分に浸ってもいいのですが、やはりここまで来たからには・・・!
今度は2階で同時開催されている、大エルミタージュ美術館展でGO!!


うってかわって、古典的な宗教画、そして肖像画、そしてだんだんフランス印象派やキュービズムなど、いろいろな段階と画家の作品が次々と現れてきました。セザンヌのりんごも一枚ありました^^ 絵画の歴史というのは、こうして影響しあって時代と共に変化を遂げてきたんだと言う事を改めて認識し、それを楽しむことができました。

やはり今回の目玉であるマティスの『赤い部屋』、良かったな~。
TVで観たのは、始めは全て緑色で仕上げたマティスが、そのあと部屋の中の部分を赤に塗りなおし、絵の依頼主もそれを喜んだという話。赤い部屋と、窓の外の緑が、見るものへ程よい高揚感とリラックス感を与えるのだそう。


また今回の展示では、展示室の壁紙の色の演出も良かったです。セザンヌ展では緑、エルミタージュ展では赤。雰囲気とキャラクターが出ていたと思います。


絵を見ると、自分の中の想像力や精神的な部分に強く触れてくるものがあり、非常に大きな影響を受けます。
作者の中にあるイメージや思いを、自分の魂を絞って削って一筆ふとふでに託している、その創造エネルギーたるや、やはり作曲家と通じる部分があると思うし、そこにある景色を自分なりの表現で筆にのせていくあたりは演奏者と通じる部分があるのかもしれません。

今回もそんなことも改めて感じながら、とにかく大好きなふたつを偶然にも同時に堪能することができ(両手に花??笑)、嬉しい時間だったと同時に、いつか実際に訪れる事がありますように、とますます強く夢を抱く、そんな時間でした。

エクサン・プロヴァンス、そしてサンクト・ペテルブルクに思いを馳せて・・・

ステキな時間をありがとうございました♪

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