2010年5月28日金曜日

曲(作品)の作られ方

 先ほどの、彩乃ちゃんの妹君ヴィオリストと学生時代に新曲のカルテットをやっていた事を振り返ったのだけど、作曲家の池田亮司さんの録音を担当したことがあり、それがとても変わっていた事を思い出しました。

 新国立劇場のバレエの音楽の為の収録ということだったのだけど、行ってみたら、なんとこれといった楽譜がなく、一人一人が即興で音を5つくらい並べて弾いて、順番に、前の奏者が弾いたものからインスピレーションで更に即興して、それを次の人が更に・・・という具合で進めていったり、それぞれが自分のモティーフを何秒という感覚を空けてバラバラに弾き続けたり、池田さんが即興で奏でたメロディーを鸚鵡(おうむ)返しに演奏したり・・・と、とにかくこれは一体どうなるんだ?という収録をしました。

 どうやらこれらはマテリアルとして採集(!)され、これを池田さんが最終的に組み合わせて作品にするということ。作曲と言うより、もはやアートを作り出す作業のようにさえ感じます。

 その後私はドイツへ留学してしまったので情報が遅れたのですが、それがCD化されたようで(Ryoji Ikeda:OP)、自分で聴いてみては、は~~~~~~・・・こうなるんですか・・・!!!
 まるで未知の、そしてどこか非現実的なようでいて、いや現実的なのか、なんとも不思議な世界が目の前にあり、新しい感覚を覚えたものです。

 当時、現代曲や新曲の演奏をよくやっていましたが、これらの作業は色々な概念が覆される事が多く、脳みそのストレッチになり個人的には好きでした。何かまた新しい作品に触れてみたいと思うキッカケになった彼女との再会。 
 
 

2010年5月26日水曜日

日吉にて

 今月15日(土)に、高校からの同級生の島田彩乃ちゃんのピアノ・リサイタルを聴きに行ってきました!

 彼女とは不思議な縁で、私の両親と彼女のお父様が学生時代からの親しい友人なのです!そして彼女の妹さんはヴィオラ弾きで、大学時代は現代曲や新曲演奏のカルテットで何度も一緒に演奏した仲。その彼女とも今回久しぶりに再会しました!

 彩乃ちゃんは高校時代からとにかく優秀で、ピアノやソルフェージュが常にトップであるだけでなく、将来フランスへ留学する為にフランス語もしっかり勉強していたので、同じフランス語の授業では、彼女のようにデキる生徒がいた為に、その他わたくしのようにデキない生徒との間に差ができてしまい、先生から比較されて大変な目に遭いました、爆笑!!(始めからドイツ語をとっていれば良かった・・・)

 彼女は長年パリで学んだ後、今はドイツのライプツィヒへと勉強の場を移し(これまた移り甲斐のある対照的な街へ!)、フランスものからドイツものの勉強の幅が増し、今回は前半ではバッハやハイドンなどをその音色や表現の変化に富みながら聞かせてくれました!
そしてなんと言っても後半はショパンのバラード1~4番制覇という大仕事を成し遂げ、本当に聴き応えのある素晴らしいコンサートでした!!

 う~ん同級生の素晴らしい活躍はとても刺激と励みになります!終演後には、将来は2人でデュオしようねーっ!って盛り上がってきました♪


 そうそう、アンコールのドビュッシーも良かったな~!!他にも卒業以来のクラスメイトに会えたのが嬉しかった☆
 
 

2010年5月10日月曜日

♪終了しました~ベルネにて♪

2010年4月18日(日)


 わたなべ音楽堂ベルネザール
 14:30開演 2,800円


 "竹原奈津・田中拓未
       デュオ・コンサート"


ハイドン : ピアノとヴァイオリンの為のソナタ
シューマン : ピアノとヴァイオリンの為のソナタ 第1番
ベートーヴェン : ピアノとヴァイオリンの為のソナタ
             第9番 『クロイツェル』



 これまで既に何度も出演させていただき、また今回もこのような機会を与えて頂けた事、そしてここでも再びご紹介できることに心から感謝です。
 フライブルク時代の仲間であるピアニスト田中拓未君が、帰国後から積極的に続けてこられているベルネザールでのサロンコンサートシリーズ。その中で今回はわざわざ2人のデュオコンサートと銘打ってコンサートを企画してくださいました。
 ハイドンとベートーヴェンの9番が初めて取り組む作品なのでドキドキです。特にクロイツェルはあまりに有名だし大曲で、遂にこの時(弾く時)がきたか・・・!という覚悟を持って頑張っています。あと今年はシューマン・イヤーなので大好きなこの曲をまた弾けるのは大いなるヨロコビ!
 木でできた50席の素敵な空間でまたみなさまと音楽を共有できるのを楽しみに、一生懸命がんばりたいと思います♪

♪終了いたしました

 というか・・・およそ一ヶ月近く前の報告・・・!申し訳ありませんっ!
 実は実家の犬が17歳半にもなるのですが、最近まさに老犬介護のレベルアップ著しく、ブログ更新時間を愛犬に占領されておりました~^^;しかし犬ともいえど家族の一員なので、一緒にいられる時間は大切にしたいものです♪

 という前置き(言い訳)は終えて、コンサートのリポートです。
 この日は久しぶりの晴天に恵まれて、カラッとした空気とお日様に応援されているような気持ちの良い日でした。1年ぶりのこの会場も、お、来たね!という感じで迎えてくれて、スグに馴染んで気持ちが良かったです♪
 まず一曲目のハイドンは、今まで聴いたこともなく、弾くのも当然初めてだったのですが、さすがはハイドン!モーツァルトの影響も垣間見ながら(あるいはモーツァルトがハイドンの影響を?はたまた時代?色々ですね~)、オペラのシーンを思い浮かべたりしながら、楽しく演奏できました。シューマンはこれまで大好きで何度も演奏してきたのですが、共演者が違うたびに新しい局面を見出し、新しい音楽が出てきます。そしてベートーヴェンのクロイツェル・ソナタ。2人のリハーサルがあまり充分取れなかった中で初めて取り組んだこの作品は、本番もなかなか大きな山として聳えて(そびえて)いました・・・!ベートーヴェン特有の強く突き進む精神性を演奏の開始から受け止め切れなかったのか、自分の中で100%納得しきれないうちに進んでいってしまいました。しかしこの作品とこうして交流できたことは大きなものとなりました。また近い将来この作品を演奏したいと今は感じています。
 そうそう、今回は、会場の形状もあって、普段と違う位置で演奏してみました。普段はピアニストと縦に並んで立つのですが、今回はピアノのくぼみの前に立つ形で、ピアニストとの距離が大きくなり私からはピアニストの手は全く見えないのですが、コンタクトは取りやすく、ピアノの音は全面的に聴こえやすいという状況です。この位置で演奏した経験は初めてか2回目くらいだと思いますが、これがここの会場ではいい感じにいきました!場所や状況によっての臨機応変さって大切ですね!新しい経験もドキドキ楽しいです。
 あ、今回は写真がないです~残念!

 さて、次は夏の松本に向けてになりそうです。これから夏までにジメジメした梅雨が到来しますね。楽器にとっては最悪な状況で、毎年この時期が来るとジレンマに陥り、楽器屋さんに言って「鳴らなさすぎだから調整して!」とお願いしては「この湿度ではこれ以上無理!」というやりとりの繰り返しです!笑 今年も、分かっていてもやっぱり楽器屋さんにかけこんでしまうかも??