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RAINER KUSSMAUL ライナー・クスマウル violinist

竹原奈津は非常に才能に溢れたヴァイオリニストである。私はフライブルクで、公式な演奏会で彼女をたびたび聴いていたが、初めて彼女のレッスンをしたとき、私の中のその印象は、彼女の高い資質によってよりいっそう強められた。


MAGDALENA REZLER マグダレーナ・レツラー violinist

彼女は優秀な成績や、既に多くの演奏経験を持っているだけでなく、彼女自身の人間性に興味深さがある。



『音楽現代』 2008年10月号 掲載
◆竹原奈津ヴァイオリン・リサイタル ~ 帰国を記念して◆

 ドイツのフライブルクに留学した、新進の竹原奈津の帰国記念演奏会、ピアノは同じ留学地の小宮尚子。ドイツもの2曲、ベートーヴェンのソナタ第8番では生彩あるストレートな表現、ときにリズミカルに、ときに繊細、第3楽章ではピアノとの、高揚感ある協奏となった。ブラームスのソナタ第2番は雄雄しく、情動的、そっとふれるような弱音による安らかさや、第3楽章での表現の豊かさはとりわけ聴きものだった。
 後半は竹原の好む東欧もの。まずバルトークの無伴奏ソナタより第1楽章、よく咀嚼された表現による彫り深さ、各旋律が主張し、相互に影響し合い、融合、発展する表現。ヤナーチェックのソナタでは、閑寂たる第1楽章、第2楽章は淡い情景のようなピアノを背景にした歌のようで内的深みに潜り、第3楽章では力強いリズム、終楽章は鋭敏に、奇想的深みにのめりこむようだった。
 最後のヴィエニアフスキの『華麗なるポロネーズ』のテクニックも出色。

(2008年7月11日(金)津田ホールにて ~菅野泰彦)




BADISCHE ZEITUNG  ドイツ・バーディッシェ新聞 2005年10月31日掲載

 バーバーの協奏曲を弾くとき、多くのヴァイオリニストが、この優美で牧歌的なものに対してムダに戦ってしまう。しかし竹原奈津というヴァイオリニストはそうではなかった。彼女の精神の中で、力強くしなやかな音が、すでに冒頭からドライブし始めた。終楽章の常道曲ではすこしリラックスしたテンポであったが、その分アンダンテの中間楽章では、憂鬱な苦い夜の世界をあまりに美しく作り上げてみせた。

Friedrich SPRONDEL