10月、11月、12月に行った展覧会の事は簡単に書いておこうと思います。
《10月》
モローとルオー~聖なるものの継承と変容~ (パナソニック汐留ミュージアム)
私の好きな清春美術館にも多く所蔵されているルオー。そのお陰で身近な存在であったのでとても楽しみでしたが、実際、モローとルオーの、師弟を超えた芸術家としての交流に胸が温かくなりました。
あと、ここの美術館、パナソニック汐留ミュージアムへ足を運ぶのも初めてでしたが、私の大好きな、こじんまりとしながらも、濃い内容の展示をしてくださっている空間はとっても居心地が良かったです。
また、パナソニックならではのサービスで『4K対応スマートビエラ新製品』というものでパリのモロー美術館の映像を流しており、美しい映像を美しい画面で楽しめたのも良かったです。(詳細)
ちょうど後日、NHKの『日曜美術館』でこの展覧会についての再放送を観ることもできました。
"自己愛と傲慢には気をつけて。目に見えるもの、触れたものを信じない、自分が感じたものだけを信じる。(モロー)"
深く大きく優しく温かいモローが描きだした色彩の作品たち。
また一度観たい。
そしていつかパリのモロー美術館に行きたい。
《11月》
カイユボット展 (ブリヂストン美術館)
近代への眼差し 印象派と世紀末美術 (三菱一号館美術館)
どちらも東京駅界隈なので、一日ではしごしてきました。
カイユボット展は、ところどころに入っていたセザンヌ、モネ、ピサロ、ルノワールらの絵が程よいリズムになっていたし、有名な『ピアノを弾く若い男』の弾いているピアノ(エラール社のグランド)も展示してあり、カイユボットの世界の充実ぶりがとても伝わってきました。
ここの美術館は、所蔵品も素晴らしいので、いつ行ってもお得感が高いのもいいです。
そして三菱一号館美術館へ移動。
こちらは、カイユボットと同時代のフランスだけど、また全く違うアプローチ。ロートレックには心が踊り、初めてみたヴァロットンという人の版画ではなぜか手塚治虫が頭をよぎり、ルドンでは精神世界というか潜在意識の部分を刺激され、心の旅をふわふわしてきたみたいでした。
あと、展示室を移動する時に見えるここの中庭の景色が好き。
《12月》
五線譜に描いた夢 ― 日本近代音楽の150年 (東京オペラシティ アートギャラリー)
これはありがたい事に招待券をいただいて行くことができました。
鎖国が終わり、ペリー来航から、日本に西洋のものが著しく取り入れられていった中で、音楽もそれと同じように日本へ入り、日本で急速に発展していきました。その軌跡を多くの資料とともに辿れるというのは、非常に貴重な機会でした。
日本でのクラシックの歴史の、浅さと濃さの両面を観ることができたと思います。
また、20世紀の作曲家のところまで来ると、私の母校の元学長でもあった三善晃先生や、授業を受けた間宮芳生先生、多く演奏される武満徹、一柳彗、外山雄三などなど・・・この歴史を追った上で、次回演奏する際には、これまでとは違った意識で臨める気がしました。