2011年10月2日日曜日

観光!でパリ。

 さて、そんなこんなで、7月末に一週間、パリ滞在です!

 久しぶりにヨーロッパ。

 今回はガッツリ旅行が目的!
 旅と言うとたいてい音楽関係。移動といったら、楽器と荷物をひきずりながら、乗り物、ホテル、ホール・・・観光なんて殆どありません。
 しかし、今回は、レッキとした旅行!とにかくリフレッシュ!

 空港や搭乗口への移動など、とにかく楽器がないことに、いちいち反応する自分。わー楽器がないって、なんて身軽・・・!
 思い返せば、楽器を持たずに日本を出るのは、13歳の時に家族で旅行した時以来です。それ以外は、常にヴァイオリンと共に移動してきました。
 それに、留学時代のドイツと日本の往復を思い出して、それと比較して身軽さ・気軽さを噛み締めてしまいました。30キロ近いスーツケースに、パソコンも入った重たい手荷物カバン、そして丈夫で重たい四角ケース(楽器の)を背負って、よく頑張ったなぁ、なんてちょっと感慨にふけってみたりして・・・笑

 さぁ!飛行機が飛びたつ、それはもう日常生活を忘れられる瞬間です。


 そして、旅にはテーマを決めたい私です。

 今回は、


   絵を見る。 (特に、今回はモネをメインに。)
   そしてカフェでたたずむ。

 そして、その13歳の時にパリを訪れたのですが、その時に観たり行ったりしたところはなるべく避けて、初めてのところへ行くことを心がけました。なので、ルーブル、オルセー、エッフェル塔、凱旋門、モンマルトル・・・などなどは後回しです。

 まずはオペラ座(ガルニエ宮)の内部見学。もう夏休みでオペラ公演はなかったのですが、そのお陰で内部まで見学ができました。なにせ、シャガールの天井画が観れないことには、オペラ座に来た意味がない!いや~・・・あの色彩感、いま思い出しても息をのんでしまいます。


 今回のテーマのモネ。パリ郊外のジヴェルニーという街にある、モネの家と庭。ここへは絶対に足を運ぼうと決めていました。サン・ラザール駅の窓口で、つたないフランス語で切符を買い(感激~!)、ローカル線に乗り込んでの移動は、ドイツでの生活を思い出して、本当に嬉しくなりました。留学を終えてから3年以上経つけど、やっぱりあの生活は私の身体に染み込んでいるんだな~って。今すぐ住めるなぁなんて実感です。


 モネの庭は本当に日本を思わせるつくりで、あまりに有名な睡蓮と太鼓橋 の絵の景色がそのまま目の前に広がり、感無量でした。アノ絵は、イメージを誇張したものではなくて、本当にその景色そのものなんだという事。光や風、水の動きなんかまで描き表現したモネは本当にすごいな~!

 テレビでこのモネの庭の存在を知った時に、いつか行ってみたいなぁとは思っていたものの、まさかそれが実現するなんて、その時は思ってもいませんでした。夢って描くと叶うんだなぁ。すごいぞ!

 ここまで来たので、やっぱり行っておこうと思ったのが、オランジュリー美術館。ここは一度来た事があった場所ですが、今回はテーマがテーマ、庭まで見てきたので、やはり外せません。

 さらに、モネの絵がたくさん所蔵されているマルモッタン美術館。ここには、美術の教科書でもおなじみ、印象派のさきがけ的作品である『印象・日の出』がありました!(写真無し)
うわー・・・!ホントに、すごい印象的!太陽が・・・!あまり大きい絵ではなかったのも意外だったなぁ・・・。感動。


   あ~もうすでに充実!!でもまだまだ行くぞー!!

 もちろんモネばっかりじゃありません。

 ロダン美術館。ロダン・・・同じテーマの作品を狂ったようにいくつも作っています。そして作品が黒か白。エロスと地獄。そちらもかけ離れているようで紙一重、とても極端で深い世界観・・・。いや~、濃かった!!

 それから、最近私が大好きなリサとガスパールが住んでいる(!)、というポンピドゥー・センター。
 ココは実に大きかったです!モダンミュージアムというだけあって、現代モノが得意なドイツをもちょっと感じさせるような施設でした。ここでは大好きなシャガールの絵にも出会えて嬉しかったな。あとマティスの絵、ヴァイオリンを弾く後姿を描いた絵がかわいかったー!

 あと、割と新しいピナコテーク美術館、街中にありますが、静かで充実した作品展が開催されています。この時はラファエロの『エステルハージの聖母』画とご対面!

 細かい下調べはしていないので、何の作品が観られるかは特に把握せずに訪れている分、思いがけない傑作との出会いはより喜びを高めてくれます!


 美術館ばかりではありません。
 マリー・アントワネットが入れられていた牢獄のある最高裁判所(汗)、その隣にある、繊細で壮大でステンドグラスのサント・シャペル教会、モネの墓のある小さな教会、ホテルの近くにあったサン・ローラン教会、マドレーヌ寺院、定番のノートルダム寺院、そこから歩いて、唯一地下鉄の走っていないサン・ルイ島、歴史のある骨董品市場クリニャンクール・・・あとどこに行ったかな・・・??

 あ、やっぱり観光で忙しく、お気に入りのカフェを探し歩く時間まで足りず。。結局以前にも来た思い出のカフェ・ドゥ・マゴーでバゲットをほおばりました。

 そうそう、13歳の時に家族で入ったポトフ専門店のレストラン、行きました!もう店主のおじいさんはいらっしゃらなくて、多分息子さんなのかな・・・?に代わっていたけど、あのポトフはそのまま!自家製ワインもそのまま・・・!(って何で分かるんだぁ?当時13歳・・・笑) いや~感慨深いです。

 そして、変えがたい喜びがありました。旧友との再会です。パリに滞在している同級生。更に、ロンドンに滞在している親友が、私に会う為にわざわざ日帰りで来てくれたのです・・・!


 やっぱり心の栄養は何にも変えられません。あまり物欲がないので、ブランド品の買い物などには殆ど興味が無くて、どうしても欲しいモノが決まっている時か、偶然の出会いがあった時以外は旅行中に買うことは殆どありません。それよりも精神的充実に費やしたいと思うからです。そしてその充実は色あせることも壊れることも消えることもないのです。



 さぁ・・・パリはいくらでもまだまだ見るところがあります。一度や二度の滞在ではまったく収まりません。見れば見るほど、もっともっと・・・!と思わせる魅力がありました。また来たい。きっと来るぞ!そんな満足した気持ちで、名残惜しくも帰国・・・

 最後のサプライズは、なんと空港のチェックインカウンターで、突然ビジネスクラスへ回された事!夏休みの観光ピークで混んでいた事は確かですが・・・!なんてなんてラッキー!!人生初のビジネスクラス!!!全てのサービスを満喫するには短すぎる11時間のフライトをウキウキで過ごし、今回思いきって決行した『旅行』を最高のものへといざなってくれた帰路でした。

 本当に行って良かった。
 そう思わせてくれることばかりの、サイコーな時間でした。


 あ、帰国してから、私が手ばなしで旅を楽しんでいる間もイイ子でお留守番していてくれた私の楽器ちゃんとも再会。この存在の大きさを実感させてくれた対面、やっぱり時には離れてみることも大切??人間と一緒でしょうか・・・笑


 そしてこの後まもなく、サイトウ・キネン・フェスティヴァルが開幕、松本→中国のツアーが始まります。

2011年10月1日土曜日

モネに導かれ・・・


ちょっと前後しますが、6月にワシントンナショナルギャラリー展(国立新美術館)に行ってきました。

5月にラ・フォル・ジュルネに参加させて頂いていた期間中、色んなフランス人たちが身近にいた事(参加したオケはロシアでしたが^^;)もあったりと、なんとなく気持ちがフランスに惹かれていた時期だったので、この展覧会にはまるで見えない糸に引っ張られるように足を運んできました。

本当に見ごたえのある内容で、この展覧会のタイトルにあるとおり、『これを見ずに、印象派は語れない』という表現に納得。

私の好きなセザンヌの絵も見れたし、最後はゴッホの薔薇の絵の傑作で締めくくられ、お腹いっぱい大満足だったのですが、何せ異常なまでに惹かれたのは、クロード・モネの作品でした。

絵の前に立ったら、突然、全身に鳥肌がバーッ・・・!
まるで突然自分がその絵の中にいるみたいに、光、空気、風、匂い・・・全身に広がります。

この感覚があまりに不思議だったので、展示作品を最後まで観た後、もう一度モネの絵のところまで戻って、観なおしてみたのですが・・・、



やっぱりまた鳥肌が~~!


そして、このときに確信したのです。


「パリに行きたい、パリに行こう!」


そんな気持ちがこの時からクリアになったのでした。


そして7月上旬に水戸へ行き、その滞在中にスケジュールを練り、パリ行きの飛行機とホテルを予約。


こうして、もう7月後半には、まるで何かに導かれるようにパリへ飛ぶのでした。

(次へ続く・・・)