6月初旬に、都内某所で、小澤征爾さんによる指揮セミナーがありました。
指揮者を目指す若い3人の生徒を指導するにあたって、小編成の弦楽アンサンブル(Vn1=2, Vn2=2, Vla=2, Vc=2, Cb=1)が召集され、私もそのうちの1人として参加してきました。
指揮者はオーケストラを振るものですが、日常の指揮練習の為にオーケストラが存在するわけではないので、普段はピアノ演奏を相手に指揮をして学んでいきます。しかし、オーケストラとピアノでは根本的に違うので、ピアノ相手だけで練習していては、学ぶ上でもいろいろ難しい点が生じてしまいます。
なのでこうして実際の楽器・演奏を相手に指揮のレッスンができるのは本当に貴重なことだと思いますし、小澤先生もその事をとても強く仰っていました。
そして、実際の楽器を相手にした小澤先生のレッスンは、
奏者である我々にとっても目からウロコだったり、あらためて再認識させられたりする事が多く、やはりとても貴重な時間となりました。
レッスンの中で私が特に印象に残ったことはというと、指揮者はリードする、あるいは交通整理をする役目、というようなイメージがあったのですが、小澤先生は、彼ら(オーケストラ、この日の場合は弦楽アンサンブル、弦楽器)の音を聴いてそれに反応・対応して指揮をする、ということを特に仰っていました。
どういう音が出ているのか、弓がどういうニュアンスで動いているのか・・・それをよく聴いて感じて、それに反応してから指揮するのだ、と。
奏者としては、こちらが指揮に反応して弾いている意識があったので、えー逆じゃない??と思い、これにはある意味驚きましたが、生徒さんの指揮と、小澤先生の指揮を体験してみて、は~っやはりそうなのだな・・・!と深くふかく納得させられたのでした。。。
また、昨年から体調を崩されておられた小澤先生でしたが、この日久しぶりにお目にかかると、スタスタと元気に歩いてこられ、レッスンは2、3時間あったと思うのですが一度も腰掛けることなく、パワフルに生きいきと音楽に情熱を傾けるお姿に対面して、本当に本当に嬉しかったのでした。
そして、今までも小澤先生の指揮セミナーに参加していろいろ勉強になることばかりでしたが、この日は小編成で小さなサロンだったせいか、より身近に、より集中した時間を過ごすことができた気がしました。
こんな貴重な時間に自分の身をおかせて頂けた事に本当に感謝!そして、小澤先生の薫陶を直に受けられた指揮科の方々も今後の将来が楽しみです!
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