2011年7月9日(土)&10日(日)
"水戸室内管弦楽団 第82回定期演奏会 & チャリティコンサート in Tokyo"
● 7月 9日[土] 18:30開演 水戸芸術館
● 7月10日[日] 11:00開演 水戸芸術館
○ 7月10日[日] 19:00開演 サントリーホール(大ホール)
J.S.バッハ:管弦楽組曲 第1番 ハ長調 BWV1066
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11
シューベルト:交響曲 第5番 変ロ長調 D.485
水戸室内管弦楽団
小菅優 (ピアノ独奏)
久しぶりの水戸室内管弦楽団でした。充実した一週間を過ごせる刺激的な期間として、また緊張感ももちながら水戸へ向かう電車に乗り込む・・・のが今まででしたが、今回は少し違いました。
3.11の震災で、水戸も大きな災害に見舞われ、その中で水戸芸術館も大きな損傷を受けられたからです。スタッフの方々が皆無事であるという連絡は何よりの安堵ではあったものの、施設内にはあちらこちらに損壊が見られ、もちろん4月にあるはずだった定期演奏会も中止となり、その後の復旧には時間がかかっていました。
今回、リハーサル初日にステージに全員が集まると、関係者の方々から震災から今日までの歩みと、今回の演奏会開催への強い意志を伺い、みなの気持ちが改めてひとつとなった瞬間。アートホールの復旧を最優先に、初日の一週間前まで修復が行われていたとのこと。水戸芸術館内のその他の施設はまだ閉鎖状態の中で、今回の公演のリハーサルはスタートをきったのでした。
また、今回の公演は、指揮者なしというもの。コンサートマスターの豊嶋さんを筆頭に、みなが意見を交わしながら、気持ちを集めてリハーサル~演奏される。今回の状況にはよりふさわしい編成だったと思います。
そして、音楽で少しでも何かの役に立てたら・・・とチャリティコンサートも行われました!いつもの定期演奏会2公演の後、そのまま東京へ移動し、同日の夜にはサントリーホールで公演という、2日間で2箇所3公演というハードスケジュールでしたが、演奏者の我々と聴衆のみなさんの気持ちが大きくひとつに寄り添った、何かそういう「気」をとても感じました。
震災直後の演奏会で弾いた時にも感じたことでしたが、やっぱりどんな状況でも、音楽をしている時は、全てを忘れてただ音楽の神聖ともいうべきエネルギーに包まれる気がします。その場にいるみんなが音楽のエネルギーによって影響を受けあうのですね。
この水戸滞在中の一週間でも、二日に一度は地震を感じていました。また街は一見何ともないように見えたものの、時々、民家の瓦屋根のテッペンにビニールシートをかぶせ、重しで押さえてある光景を目にし、修復が間に合っていない状況がまだまだあるのだ、と目の当たりにすると、やっぱり心に痛みも受け、複雑な気持ちにもなりました。
震災の復旧・復興は、まだまだこれから根気のいるものだと身に感じながら、それでもやっぱり最終的に必要なのは、強い気持ち!なのかな・・・。音楽はとても強いです!どんな状態に我々にも、ふさわしいエネルギーを与えてくれるのです。私は、そんな音楽を奏でられる演奏家の中に少しでも存在できているのなら本当にこれ以上の幸せはないなぁと感じた、今回の水戸の期間でした。
水戸のみなさんも、とても大変な状況だと思いますが、どうか音楽という素晴らしい存在と共に前へ歩んでいける事を少しでも応援させていただけたら、私も音楽家のはしくれとしてこんなに嬉しいことはないなぁ・・・と思っています。
音楽、ブラボー!
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